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立原道造詩集より


立原道造詩集(昭和56年1月20日 25版)の中から
「詩集  優しき歌」

X 夢見たものは......

夢みたものはひとつの幸福
ねがつたものは ひとつの愛
山なみのあちらにも しづかな村がある
明るい日曜日の 青い空がある

日傘をさした 田舎の娘らが
着かざつて 唄をうたをうあつてゐる
大きなまるい輪をかいて
田舎の娘らが 踊ををどつてゐる

告げて うたつてゐるのは
青い翼の一羽の小鳥
低い枝で うたつてゐる

夢みたものは ひとつの愛
ねがつたものは ひとつの幸福
それはすべてここに ある と 


これは、学生時代仙台で、「宮城沖地震」に遭いその衝撃をそのままに、何かで見て、
「立原道造」を知って、買った詩集のでした。
地震のその時は、友人たちとなぜか下宿近くの公園にいて、
急な揺れに、公園で遊んでいた子供たちがかたまって、
お母さんたちは、大きな揺れに動くこともできずに、
当然自分らも、ただただ驚きで、動けもせずに、
近くの大きな寺の瓦が流れ落ち、その音も揺れのものなのかわからないくらい、
恐ろしい音がしていました。
そして墓石がバタバタと倒れるのが、これには恐怖しかありませんでした。
あのときに、なにをねがったのか、
真っ暗な夜に、友人たちと過ごしたあの時,なにをねがったのか。
何年か振りで読んでいます。



by genkiyasai | 2015-03-14 08:19 | 本・言葉・絵 | Comments(0)  

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